自然エネルギーというのなんだ?

2018.10.13

環境や持続可能な生き方などに最も関心がなさそうな総理まで「CO2排出量ゼロ」と言い出しました。安部政権以来、国の代表が自分で考えて新たな提案など一度もしたこともないこの国の首相ですから、「CO2排出量ゼロ」と言わせたのはメガソーラやウインドファーム、原子力発電業界からの何かがあったのだろうと推測するのは当然です。
今世間ではなぜかCO2排出削減、カーボンオフセット、ストップ温暖化は堂々と言えても、いまだにセシウムやプルトニウム、原発の危険性などをメディアが正面から報道できずにおります。とても不思議なことですね。
今日は大規模風力発電についてです。

あまり報道されませんが道北は年間を通し風が強くウインドファーム(大規模風力発電)の適地とされています。実際に海岸沿いにプロペラを伴った鉄塔が無数に並びます。これによってどのくらいの電力が有効に使われているのはわかりません。
ただはっきり言えたことは2018年の北海道胆振東部地震の際に、地震の影響が全くなかった道北も大停電が起こり、特に酪農に甚大な被害を与えたということです。日本で最も人口密度が低く、電力消費が少ないこの地域の電力がなぜ賄えなかったのでしょう。これらの施設がはじめから北電に売電が目的で投資され、地域の利用は想定していないからです。
地元のメリットって税金が入ってくることでしょうか。
 実際ウインドファームのブレードに衝突して負傷、絶命するオオワシ、オジロワシは多く、私の知人が通りかかったときも動けなくなっているオジロワシを発見し、道東で野生動物の保護に取り組んでいる齋藤獣医師のところに運び込みました。その時の写真です。

このオジロワシは懸命の救命処置にもかかわらず、翌日絶命してしまいました。いったいどれだけの野生動物が犠牲になればこの風車が止められるのだろう。齋藤医師は風力発電に強い懸念を持っておられるようです。

風力発電はある程度風が強く安定的に吹くところに設置されます。例えば海岸線、そして山の尾根沿いなどです。実際に施工されると山の生態系が激しく破壊されます。
そこで生きてきた多様な生命にとって深刻な影響を与えます、それでも環境にやさしいエネルギーとよ呼べるのでしょうか?


 環境と共存できない自然エネルギー、再生可能エネルギーというのは本当に持続可能エネルギーなんでしょうか。
どうもこのような話をするとだったらCO2出してよいのか、原発よりましだろうとか、いろいろ言われます。しかし多くの生命と共存できないシステムは否定されるべきです。風力発電もソーラーも否定しているのではありません。地元主体ではない企業主導で大規模に行われる発電システムは、決して共生できるエネルギーではありません。主体が地元の生活者であるかどうか、とても大切です。その恩恵もリスクも主体者が持たなくてはなりません。
 森にすむ鳥がフンを落としてもそのフンも連鎖の中で腐葉土や、時には樹木の種の運搬になりますが、狭いところに10000羽いてそれがフンをしたらやはり環境に悪影響を与えます。自然エネルギーとは、薄く分散さて、その地域の人たちがつつましく利用するエネルギーのことだと確信しています。