考え方

はじめに

1986年チェルノブイリの事故に、経済優先、消費、消耗のライフスタイルの末路を見たような気がして、別な価値観で自身の仕事を展開したいと考えました。そこで1988年末、公共工事などの大規模建築を主とする設計事務所を辞め、転勤先福岡で独立し、九州と北海道の木造建築の仕事をしていましたが、しだいに北海道の仕事が増え、1996年出身の札幌に事務所を移しました。

設計の基本は「機能もデザインも性能も」ですので、デザイン優先とか機能優先などという発想はありません。性能について耐震性はもちろん、特に室内環境、省エネルギーについて力を入れて取り組んでいます。熱損失、換気量、室内空気環境に関して、基本計画段階から検討をしています。

またメーカーの既製品を極力使わず、できるだけ地元の自然素材を生かし、現場もしくは町工場で人の手作業で作る努力をしています。そのことで安全な材料を選ぶことができますし、製作者の顔が見えます。そしてなによりも建物全体の調和をとることができます。

「もとからあったような」とか「自然の中にとけ込むような」「懐かしいような」心落ち着くデザインの空間作りを心がけております。目に刺激のあるギラギラ、ピカピカ、テカテカや尖ってる感じは希望されても設計できません。

工務店の選定方法ですが、ここまで話したことに実際対応できるところは残念ながらきわめて少ないのが現状です。原則的に仕事の内容によりベストと思われる工務店一社を指名して見積もり、工法など調整して発注しています。この方法は、一般的な競争入札方式とは異なり世間的には業者との癒着などが問題視されやすい方法ですが、技術レベルの違う業者を価格で判断するほうが問題です。

設計監理料は新築の場合、建築費の10パーセントが目安です。企画案がある程度固まった段階で契約となり、概算設計料の1/3をいただきます。建設の流れですが、設計開始から現場着工まで4ヵ月から6ヵ月くらいが標準です。工期は人手不足の折、できるだけ余裕を取りたいと思います。

打ち合わせ中や出張中が多く、電話でお問い合わせの方々にご迷惑をおかけしています。メールやFAXでご連絡いただけると大変助かります。

フーム空間計画工房 宮島 豊