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森林環境とバイオマス発電

2023.08.31

今日の林業の現場には、大量のトドマツ、カラマツの丸太が積み上げられています。これらのほとんどが道内の山から切り出された立派な丸太です。ウッドショックもあって道産材の価値が見直されたようです。が不思議なことに製材会社にトドマツやカラマツの板材を頼むと、
「最近 原木が不足して。なかなか大梁や床材に使えるものなどがそろわない」と意外な返事です。
トドマツを専門に挽いているところからも同じような回答がありました。
そこで例の林業会社の代表に世間話程度を装って話を聞いてきました。

丸太を太さ、程度に分類して、製材業者に売ると9000円/㎥から14000円/㎥ 一方そのままバイオマス発電会社にチップとして売ると無選別で7000円/㎥だたので、こちらの方が手間暇考えると効率よいのだそうです。さらに最近チップボイラーやバイオマス発電の競争激化でチップの価格が9000円まで上昇してさらに製材所に行かなくなりそうですね。



そこで大量の丸太がチップになってバイオマス発電で電気に変わるのですが、どのような仕組みになっているのでしょう。

木質バイオマス発電はカーボンオフセットの再生可能エネルギーと言われ、高額での全量買い取り価格が設定されていますので、燃料の木質チップも高額で買っても採算が合うことになります。
実際は上の図のように、良い条件で考えても元々木材が持っているエネルギーの25パーセントしか電気に変えられないとても効率の悪いものです。
 さらに本来は建築廃材や製材カス、間伐で出るほぼ利用価値がないものを燃やす話でしたが、実際は製材より儲かるのでチップにするため伐採しているのが現状です。

直径70センチもあるミズナラです。りっぱなテーブルでも作れそうな丸太ですが、チップになって燃やされます。現在はそれでもチップが足りず海外からパームヤシの実の殻などを船で運んでいるのが現状です。
これが一面ではありますがカーボンオフセット SDGsの現実ですね。
じっさい燃やすなら薪にして、寒い時の燃料として直接燃やした方がはるかに効率が良いのですが。