ギャラリー
ふたつのEndeavour

路面電車の通りに面する湯川エンデバー。もともと海産物土産屋さんの一階を改装した

窓越しに見る店内の様子。外壁は杉板を古美仕上げに

ビールバー全景。昔からあったような素材感の強いインテリア。カウンター椅子は美瑛の工房Sloopさんに特注オーダーで

10種類までクラフトビールが楽しめる。壁は野幌産のレンガを埋め込んだもの

道産ミズナラ3.5メートル2枚つなぎのカウンターで至福の一杯

店の中にある小さなブリュワリー(ビール工場)

テーブル席の椅子はラフデザインを起こして、木工家高橋三太郎氏に依頼

真鍮のエンブレムと店舗

週末はオープンと同時に満席、撮影は少し落ち着いた時間で

ビールと合わせた料理で

高橋三太郎さんに渡したスケッチ

ギルドエンデバーの全景。もともとは鉄骨の木工所だった。外装は道南産の杉を無塗装で

真鍮のエンブレムには潮風で緑青が現れている

ビアホール一階の様子

ホールからブリュワリーを見る

カウンター側から1階ホールとブルワリーを見る

2階立ち飲みテーブルとスツール

3階鉄骨倉庫の構造現し

カウンターバーの様子。巨大な銅製のフードが目を引く

カウンター腰部分はいつもの野幌レンガ。エンデバースタッフも一緒に施工した

ビールのサーブをする女性

石窯で焼いたピッツァ。マルゲリーはシンプルながら素晴らしい

国産で最高と言われる石窯を導入。準備期間からずっと試し焼きを続けた。薪も道南広葉樹を乾燥させたもの
DATA
●函館湯川のマイクロブルワリー&ビールバー Endeavour(エンデバー)
函館湯川エンデバーは路面電車の通りに面する恵まれたところにあります。店舗の顔である窓の開口の幅や高さについては、一般的なガラス張り大開口は避け、かつ外を歩く人には好奇心をくすぐるような、店内のお客さんにとって、閉鎖的にならず、落ち着くデザインを検討しました。インテリアは狭い空間の良さを演出できればと工夫しましたが、実際ご来店いただき、味覚や触覚、視覚を敏感にすると、いろいろ感じていただけると思います。
●乙部のクラフトビール工場&ビアレストラン Gild Endeavour(ギルド エンデバー)
もともと木工場をリニューアルした建物です。冷蔵に使うエネルギーを同規模ビールプラントで想定されるものの1/3程度とし、緩やかな環境を実現しました。工事中に、レストラン厨房に薪を使う石窯が導入されることになりました。厨房は強力な業務用換気扇が回り、石窯は自然吸気で煙突排気のため、そのままでは煙突から煙が逆流してしまいます。そこで換気計画をガラリと変更、例の少ない加圧換気としました。これはローコストで調整、メンテナンスしやすい、一方気密欠損があると内部結露しやすいというリスクもあり、現場チェックを徹底しました。
ぜひ近くの温泉旅館にお泊りいただきエンデバーで、クラフトビールと料理を味わってみてください。多分納得していただけるかと思います。
COMMENT
2017年春、宮島の友人プロデュースによるクラフトビールブランドEndeavourの立ち上げに建築側からお手伝いすることになりました。乙部町はおいしく質の高い湧き水が豊富で、ガイボータというブランドで好評を得ていますが、この名水と地域の素材を生かしたクラフトビールを作ることになったのです。
設計は、上質のクラフトビール作りに適した環境を少ないエネルギーで実現する、同時にその場でできたてのビールや、料理をおいしく楽しめる空間を作ることが最重要課題でしたが、さらに、道南の素材と技術できる限り生かすことも忘れていません。内外装には道南杉をはじめ、針葉樹から広葉樹に至るまで地元の製材所で挽いてもらい、手で触っても感じられるくらいの粗さとしました。